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2017.09.01 レポート 

ビオトープフォーラムin大槌2017(岩手県大槌町8/26)

日時:2017年8月27日(日)10:00~17:00
会場:岩手県大槌公民館
主催者:三陸ビオトープフォーラムin大槌2017実行委員会
共催:三陸自然学校大槌、認定NPO法人環境パートナーシップいわて、ESD活動支援センター、NPO法人日本ビオトープ協会、自然環境復元学会、NPO法人まごころネット
 
内容:
第1部 10:00~12:00 エクスカーション
・ミズアオイと湧水地の視察
 ※「ミズアオイ」:環境省【準絶滅危惧種】岩手県レッドデータブック 【Aランク】
・大槌たすけあいセンター訪問

第2部 13:00~17:00 フォーラム
 
(1)開会
(2)伝統芸能 臼澤鹿子踊
 臼澤鹿子踊(うすざわししおどり)は400年の歴史を誇る伝統芸能です。東日本大震災で被災したことにより継承が危ぶまれましたが、現在は保存会が活発に活動に取り組んでいます。
 鹿子頭(ししがしら)の白いたてがみのような飾りは、ドロノキをカンナで削った『カンナガラ』を使用しています。最近では材料となるドロノキの入手が困難となっているため、保存会では地元の種子でつくったドロノキの苗木を大槌の山に植樹する活動にも取り組んでいます。植樹したドロノキが育ち、カンナガラに使えるようになるには40~50年かかるとか。伝統芸能の継承と、地域の自然の保存を願うこの取組は、生物多様性アクション大賞2014の復興支援賞を受賞しました。

(3)基調講演「震災復興と自然の再生・保全による魅力あるコミュニティづくり」
 鈴木邦雄氏(神奈川県立産業技術研究所 副理事長)
  
様々な研究結果から、日常的に自然をとらえることの大切が指摘されています。暮らしと自然の関わりやつながりを尊重できる個を育んでいくために、自然の学びの場が必要とされています。ビオトープは五感と感性を養い、自然との共存共栄の気づきと学びを得られる場です。生態系インフラを整備し、地域のかちを高めることで魅力ある地域づくりに取り組めると考えます。私たちにはコミュニティを守り、生き方や暮らしの知恵、自然との関わりを伝えていく責務があるのだと認識してほしい。

(4) 講演Ⅰ「大槌町町方に再生した除草剤感受性ミズアオイについて」
 平塚明氏(岩手県立大学総合政策学部教授)
 
ミズアオイはもともと稲と一緒に育て、極めて日常的に食べられていました。万葉集に登場する他、神輿や調度品などにもミズアオイを描いたものが見られ、身近な植物であったことがわかります。その後水田雑草として疎まれ、圃場整備や除草剤のために数が減少し、レッドデータブックに記載されるようになりました。除草剤が使われるようになると抵抗性を持ちますが、大津波のあと大槌町に出現したミズアオイは除草剤の抵抗性を持たない、古い種が発芽した点でも大変貴重なものです。
 
(5) 講演Ⅱ「大槌の湧水がもたらす生息場とさまざまな役割」
鷲見(すみ)哲也氏(大同大学教授)
 
大槌は湧水の町です。180本の自噴井戸がありましたが、大震災後は深い自噴井戸と浅い地下水から水が染み出て、淡水の湿地と塩水の湿地が出現しました。澄んだ水場でしか生息しないイトヨや、ミズアオイの復活など、ビオトープとして大変貴重であり、郷土材エリアとして保全の計画をぜひ考えてほしいと思っています。地域の方は町に何もないと仰るかもしれないが、資源はあります。保存に取り組むNPOや熱心な企業の力を活かし、互いに意見の違いを認め合いながら、町に人的資源のプラットフォームを築いて欲しいと思っています。
 
(6) パネルディスカッション
「町方地域の自然今昔…地域の子ども達にバトンを受け継ぐために…」
コーディネーター
 渋谷晃太郎氏(岩手県立大学総合政策学部教授)
パネリスト
 臼澤良一氏(三陸自然学校大槌代表・遠野まごころネット理事長)
 東梅英夫氏(臼澤鹿子踊り保存会会長)
 菊池啓子氏(県立陸中青少年の家所長・元大槌小学校校長)
 

  • 環境学習の充実が一番大事だ。体験で学ぶことが大切だが、防潮堤などの設置が学ぶ場を遠ざけているようにも感じる。「感受性を磨く場」の充実が求められる。
  • 子ども達に自然の素晴らしさ、美しさ、楽しさを知って欲しい。
  • ミズアオイのお話しは今日初めて知った。ぜひ大槌の町民にこそ聞いて欲しい。
  • 担い手をどう育てていくか、ESDの模範的事例だと思う。ぜひ認識を持ち、地域だけでなく世界に向けて発信していってほしい。

 フォーラムへは50人余りが参加し、熱心に講演に耳を傾けていました。
 地域資源としてのビオトープの価値や、ミズアオイについて知識を深めるための話題などが話され、ESDの視点から地域を見直す機会になったと思います。

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